piano played by naon
子供のころ、いつからか、私の部屋の本棚に、ネイティブアメリカンの女の子の人形が飾られていた。祖父がアメリカを旅行した時、現地で買ってきた人形だと後から知った。
社会人になって、東京に出てきて、私に、宇宙エネルギーを使った様々なスキルを教えてくれた先生に出会ったころ、急にその女の子が夢に頻繁に出てくるようになった。何かものすごい信念を持って。
なので実家に帰ったとき、母に、人形供養に出してと頼んだ。母はその後、人形供養に出してくれたそう。
それから半年後、実家に帰ったときに、自分の部屋の洋服棚の奥に手を入れると、何かに当たって。引っ張り出したら、その女の子の人形で。超超超びっくりして、階段を転げ落ちそうになりながら母のもとへダッシュして、確認したところ、
「人形供養に出したけど、不思議ねぇ」
(母はのんびり屋です)
彼女は戻ってきた・・・。
恐る恐るまた本棚に飾って、東京に戻った。
その後もその女の子は夢に何度も出てきて。
何かを伝えようとしているけど、私には感じ取れない。
なので、彼女に、
「先生に数週間後に会うから。その時あなたの思いを教えてもらうから、待って」
と伝えた。
それでも待ちきれないのか、彼女は夢に何度も現れ、時にはナイフを向け、時には銃を向けてくる。でも私には、彼女の尋常でない強い意志しか感じ取れない。
そんなある日、私の住む部屋のベランダに彼女の気配を感じた。私の部屋はシールドしてあるので、ちょっとやそっとの邪気は入ってこられない。彼女は、ベランダで地団太を踏んで抗議している。でも私は「もう少し待って」としか言えず。
その時、たまたまbebeから電話がかかってきた。電話を切った後、ベランダから彼女の気配が消えていた。
なんと、彼女は、私には妹がいるんだ・・・と気づいたのか、地方にあるbebeの家に直訴しに行っていた。
(bebeから後から聞いた話だけど)
2Fのベランダにドスンという人が降り立った音がして、bebeとtoto(bebeの旦那さん)は、まちがいなく泥棒だと思い、おそるおそるベランダのカーテンを開けたところ・・・誰もいない。そして、次の瞬間、家の中をバタバタと走り回る音が聞こえて。bebeはすぐに、「あぁ、あちらの方ね」と思って、「出ていきなさーい!」と叫んだそう。
この話を聞いて、私はネイティブアメリカンの女の子に、今度bebeのところに行ったら、先生につながないよと半ば脅しのメッセージを送った。そうしたら、彼女は、先生に会うその日まで、おとなしく待ってくれた。
やっと先生に会えた日。
先生は、「虐げられたネイティブアメリカンの霊魂を成仏させて欲しいって言ってるわよ」と言って、成仏しはじめてくれた。
すると、私の目の前にパッと真っ暗な草原が広がって。
そして、その草原一面が燃え始めたと思ったら、
その火が少しずつ空に向かって上がり始めた。
火の玉だと思った。初めて見た。
何千というすごい数の火の玉が、真っ暗な空にどんどん吸い込まれていった。
その後、実家に帰ったとき、ネイティブアメリカンの女の子を見てみたら、目が半分とろんと閉じていて。
あぁ、彼女は役目を果たして、成仏したんだなと思った。
それにしても、彼女は、アメリカにやってきた私の祖父を見たとき、この人の孫が数十年後に自分たちを成仏させてくれる人につないでくれると分かっていたのかな。
いずれにせよ、彼女の霊魂が、今は穏やかであって欲しいと願っています。